肩こりを生み出しやすい人体の構造

■骨格が肩こりを招く?
体は、背骨によって支えられています。
その背骨は、頭蓋骨に下から骨盤まで、椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨24個が連なった集合体で、上から順に頸椎(けいつい)、胸椎、腰椎という3つの部分に分けられます。
これらの骨は、ゆるやかなカーブを前後に描いていて側面からみるとS字の形になっています。
このS字のおかげでうまくバランスを保ち、2本足で立つことができるのです。
そして、背骨は全身のバランスを保つだけでなく、上体をかがめたり、そらしたり、ひねったりと、多様な動きに対応できるのです。
体のバランスを保ちながらさまざまな動きをする役割は、肩こりの発生に大きく関係しています。
首部分の7つの骨「頸椎」と肩の関節は特に肩こりと深い関係があります。

■大きな動きに対応する首と骨のしくみ
頸椎は、胸椎と腰椎と比べて、動く範囲が大きいことが第一の特徴です。
前に約60度、後ろに50度、左右に横倒しにするときにはそれぞれ50度、頭を起こしたままねじるときはそれぞれ70度という広い範囲をカバーします
人間が外部からの情報をキャッチする視覚・聴覚・嗅覚などの感覚器官が東部に集中しており、情報収集するには広い範囲で動く必要があります。

頸椎は、重い頭部と支えるという役割もあります。
人間の頭部は成人で3〜4kgほどの重量になります。
これを支えながら前後左右に動くので、頚椎にはかなりの負担が絶えずかかり続けているのです。
その結果、頸椎を支える特定の筋肉に疲れがたまって、こりを引き起こすのです。

肩の骨格については、肩も首と同じでいくつかの骨のからできています。
左右それぞれに7つの関節が連動して動きます。
肩関節は、単独で動くほか、腕の動きにも連動して動きます。
肩から吊り下げられている腕は、意外と重く、腕の重量と大きな動きは、肩関節自体に大変な負担になります。
身近な「五十肩」も腕の重量と大きな動きによる負担をかけ続けた結果の肩関節の故障です。

肩こりの元凶?首・肩・腕の動きをコントロールする筋肉
首の筋肉には、骨格とともに重い頭部を支えながら、動きをコントロールするという役割があります。
首の後ろにある「脊柱起立筋」と呼ばれる筋肉が重要で、頭を起こし続けるのに必要です。
「脊柱起立筋」は、頭が前に垂れ下がらないよう、うなじの側から重い頭部をひっぱり起こしています。

また、肩周辺の筋肉は、姿勢の維持と腕の動きに大きな役割をします。
持ち上げるだけでも、肩周辺の筋肉が重い腕をコントロールしなくてはなりません。
コントロールするにもかなり強い筋力が必要です。
その役目を担っているのが、鎖骨の上外側部分にある「僧帽筋(そうぼうきん)」、肩から上腕の外側にかけての部分を覆う「三角筋」、背側で首と肩をつなぐ「肩甲拳筋(けんこうけんきん)」や「棘上筋(きょくじょうきん)」、「棘下筋(きょかきん)」などです。

■筋肉の不自然な収縮がこりを生む
正しい姿勢は、骨格によってかたり作られますが、その姿勢を維持して各部の動きをコントロールしているのが筋肉です。
首や肩周辺の筋肉には、あたりまえの姿勢、動きをとるだけでも、大きな負担がかかり、疲労がたまりやすい仕組みになっています。
さらに、体を曲げる、伸ばすといった動きをスムーズに行うためには、筋肉を緊張させたり緩めたり、収縮と弛緩が交互に、行われます。

現代社会からは、全身を動かす機械が減り、一見すると大変楽で快適に見えますが、体にとっていいことではありません。
全身性の動きが減り、一定の姿勢を保つ時間が増えるほど、筋肉は収縮しっぱなしとなり、疲労がたまる一方です。
肩こりの原因となる筋肉疲労は、筋肉の収縮と弛緩のリズムを崩す「静的生活」から生まれるのです。
この筋肉の収縮と弛緩には、血管を縮めたり、緩めたりして血行を促し、筋肉に酸素を運ぶ役割もあります。

■筋力の弱さは日本人の弱点
肩こりは、日本人に非常に多く、欧米人には明確な症状がありません。
日本人にばかり肩こりが多いと考えられるのは筋肉の問題です。
体格に見合った適正な量の筋肉があれば。姿勢を正しく保ったり、動きをコントロールする際に体に受ける負担を吸収・緩和することができます。
しかし、筋肉量が少ないと、なんとか姿勢を維持しようとして、筋肉がオーバーワークになってします。
この状態が続くと筋肉疲労がたまっていき、首や肩のこりといった不快な症状があらわれます。
つまり、筋肉量が少ない人や筋力の弱い人ほど、首や肩にこりが起こりやすいのです。
日本人は、欧米人と比べてもともと筋肉量が少なく、肩こりにになりやすく、日本人同士でも男性より女性のほうがなりやすいのです。

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